海老です。
今日は、あなたの転職時の年収の決定プロセスをお話しします。
あなたの年収の決まり方
1つ前の記事では、悲観的な話が中心でしたが、決して悲観的なことばかりではありません。
あなたが今の会社からもらっている給与は、あなたの会社内での役割や実績や期待からくる評価を表しています。
転職先の企業も、当然、ここに注目しています。
しかし、転職の際には、どうしても世間相場が大きく影響してしまいます。それは、どうしてなのでしょうか？
理由は2つあります。
年収が決まる2つの理由
1つは、企業の人事給与の制度です。
これが大きく影響しています。部長の下の次長や課長の募集において、部長以上の給与を出せるわけがありません。ある程度の企業規模ともなれば、いくら中小企業でオーナーの力が強くても特別扱いはしづらく、他の社員が納得する金額にせざるを得ません。
2つ目は、今の給与は今の会社での実績であり、当社に転職して果たして同じ実績が出せるのかどうかわからない、というリスク回避の考え方です。
この考え方も非常に多くの企業で見られるます。
この2つの理由から、大半の中小企業の社長が、「始めは提示した給与からスタートしてもらうが、実績が出たら、給与をアップする」と言うのです。
さらに、営業マンなどは、給与は粗利から捻出するものですので、入社初年度に見込まれる粗利から計算している場合もあります。
社長の権限が強い中小企業といえども、社員の給与は社長の腹づもりとはなかなか行かないことがあるのが、これでお分かりいただけると思います。
転職して最初に提示される給与については、そもそも、会社が求めている人材のポジションや役割、仕事内容によって、給与体系から算出し、今いる社員とのバランスを考慮して決められます。
しかし、当初の予定給与からびた一文も上げられないかと言えば、そうではありません。上げられる可能性はあります。
同じ課長職でも、何段階か職能級があるはずです。より上位のステータスのところに持っていくことで、階級は変わらなくとも年収は上がります。
そのために必要なのは、あなたの仕事の成果に対しての期待値と、あなた自身の人間的な魅力を合わせた総合力を、会社の想定より上げることです。
会社があなたの人間性を図る方法
なぜ人間力、人間性も関係するのかと思いましたか。
会社にとって、新たに人材を採用するというのは、その人をきっかけにして解決したい課題があるからです。
まず、会社が抱えている課題を解決するのに適している、会社がぶつかっている壁を越えていくのに能力を発揮してくれるだろうと思ってもらうことが大切です。
ボトルネック、つまり、事業における詰まりを解決することで収益が上がる、加えて、今の組織にとってさらに良い相乗効果を発揮してくれるかどうかという観点も、会社にとって大事なポイントです。
だから、仕事に対してだけでなく、組織に対して能力を発揮することができると期待させる人間力、人間性も必要なのです。
さて、あなたと会社の最初の接点は、履歴書と職務経歴書(レジュメ)、加えて面接です。
この2つで、あなたをどう表現するか、ということになります。
そして、見落とされがちですが、人材紹介会社を経由している場合に限り、そこのエージェントと会社との信頼関係によって、あなたの印象が上がる可能性があります。
※もちろん、求人内容との相性や紹介の仕方などもあります
エージェントは、あなたとの面談を通じて、あなたの履歴書や職務経歴書になかなか書き切れない能力や経験を把握します。
そこで見つけた、会社が好印象を抱いてくれそうなことをエージェントから会社に事前に伝えることで、あなたに対する期待度を高め、面接風景が変わるようにしていくことが仕事です。
自己流の転職術で突き進むことも不可能ではないですが、人材紹介のエージェントととの面談は、会社側にあなたの期待値を高めるとても大事なものです。
ですので、現役のエージェントとしては、転職の面接と同じくらい入念な準備をして臨んでもらいたいと思っています。
そして、あなたは、面談したエージェントから、企業はどのような人物を望んでいるか、自分のどんな経験・知識が活かせるかを事前にヒアリングしておきましょう。
もしかしたら、あなたが思ってもみなかった些細な経験・知識が、実はとても貴重なものだったということもあるかもしれません。
いくらその会社と信頼関係のあるエージェントといえども、採用面接官一人ひとりのことまで把握するのは難しいですが、中小企業の場合、社長の個性を事前に理解していると大分違うものです。
ですので、エージェントを活用することは、とても重要だと再認識していただきたいと思います。
弊社は、企業との信頼関係を構築することを重視して人材紹介をしておりますので、あなたに有益な情報を提供することができると思っています。
