「40代・エグゼクティブ・経営幹部・管理職」の転職希望者へのアドバイス

目次

自己の棚卸しについて

私は転職、キャリアのコンサルタントを始めてもう18年で、もう8000名以上の方とお会いしています。たくさんの面談者の中で一番多い年代は40代です。およそ半数はそうだと思います。

どの年代にも共通する法則は、年代の前半と後半では転職活動が変わってくるということです。

40代でのその法則の特徴は、前半の45歳までは企業の求人もまだ多いので比較的求人案件や企業を選ぶという姿勢でも通用しますが、45歳を境にかなり少なくなってくるため、目についた求人はどれも大事にしてアタックする必要が出てくるということです。

つまり、勤務地や年収、ポジションなども広めに設定する必要がでてくるのが45歳以降で、あまり条件をあれこれ言っていられなくなります。

また、40代後半はかなり即戦力でないと企業は採用しません。求人企業がそのポジションに求めている経験値などをかなりきちんと職務経歴書などに書いていないと書類すら通過しません。当社で行っている個人向けの転職指導の中で、「履歴書・職歴書記入指導」は事前の「キャリアカウンセリング」を元にその点をかなり注意して作成していきます。

必要により、職歴書以外の資料も作っていただいており、それで転職が成功したと思う事例もあります。

40代は経験をもとに「ほんものの管理職」になろう

さて、40代の経営幹部・管理職の方の転職はより自己の強みを活かし、これからの長い人生をどう生きるのかということも考えた転職となります。

40代は、長い人生の中でも仕事も人生も円熟味が出てくる年代です。それだけに人生からの人間的な基礎能力というかパフォーマンスが染み付いてくる年代でもあり、はっきり言うと人間力の差が出てきます。

企業がこの年代を採用する場合、管理職としての採用は言うまでもありませんが、もっと将来性を期待しています。つまり、スペシャリストとしての仕事の能力だけではなく、上級幹部候補者としての人間力が問われます。

その企業側の視点をクリアするためには、今の会社での管理職としての振る舞いが正しい思考でなされているかをチェックし、必要ならば変化させることになります。

どういうことかと言うと、長年続いている人間関係によって上司にも部下にも言葉は悪いですが「ワガママが通用している管理職」から、まったく新しい人間関係の組織でも通用する「ほんものの管理職」への変化です。

それには「自己の棚卸」が必要です。

「仕事の棚卸」だけではなく管理職としての「自己の棚卸」をするのが40代です。私の著書でもセミナーでもこの点をしっかりとお話ししています。

その理由は、この年代が今後の人生を左右する自分自身の人生の法則がほぼ出来上がるからです。50代ではその人生の法則はさらに進化して行きますが大きな原則は変わらないでしょう。

50代での良い法則を身に付ければ、上司や先輩を敬い、同僚や部下を大事にし、部外者や見ず知らずの人にも親切にします。そして仕事も変化を好み、変化の過程でまた振り出しに戻ることも自己の成長に必要な経験だと思えばイバラの道も厭わず、柔軟な思考をします。

何より、さらに大きな仕事へのチャレンジを任せられる実力がついています。趣味やプライベートでも前向きに明るく、職場では華があります。

自分の経験と個性から醸し出される人の上に立つ者にふさわしい人生の基本原則。

20代、30代での苦労を克服したからこそ身に付けたものです。

この人生の法則は、自分を動かすための、例えて言えば、コンピューターのOS(オペレーティングシステム)のようなものです。日々の自分の思考をつかさどり、判断をするものであり、部下の失敗をどう処理をするのか、クライアントからのクレームをどう処理するのかなど、その人によって違う判断となる考え方のベースです。

また、新しいことへ前向きにアタックするのか、どうやって成功に導くのかなどにも影響します。うまく行く人はこのOSがしっかりしているのでいつもだいたいにおいて良い結果を生みだし、まったく新しいことへの取り組み方も自分なりの思考でこなします。

自己の棚卸は、この自分の基本原則に気づき、見つめ直し、修正するためのステップなのです。

50代になっての修正は小幅修正程度で、なかなか自分を変えることは難しくなります。40代は、まだ思考に柔軟性があります。特に40代前半はまだ30代の延長の意識もあり、大きな変化を受け入れることができます。

転職を失敗に導く「大企業病」とは

さて、真の管理職・経営幹部にふさわしい人生の法則は、親切さ、謙虚さ、明るさ、信用力など、人間としての基本的な性質とともに、困難を打ち破る意志の強さ、部下を統率していく能力、与えられた仕事を必ず仕上げる計画性と実行力なども必要になります。

この点をしっかりと見つめ直して、修正が必要ならば悪い癖を直さなければなりません。だからこそ、転職に際して、一番最初に自己の棚卸をすることをお薦めしています。

特に、エグゼクティブ・経営幹部・管理職としての40代の採用は、企業側は仕事のスキルや経験で即戦力を求めています。

もう少し厳しい言い方をすると、将来の上級幹部にふさわしい外見、会話、判断ができ、素晴らしい人間性を持つ「ほんものの管理職」しか採用したくないと思っています。

自分のストレスをパワハラ的に解消している人、部下や下請けに仕事をさせて成果は何もしない人、会社や上司にいつも面従腹背な人、よくよく考えてみると特に大きな成果を上げていない人、こういう人は面接でするどい質問が来たときにボロが出てしまいます。

中でも注意する必要があるのが、知らず知らずの内にかかっている病気である、「大企業病」です。

転職希望者はチェックしておきたい大企業病チェックリスト

大企業病になっているかどうかは、まずあなたの会社の特徴を調べるとわかります。

それは、次の5つの特徴です。

  1. 会社としてのブランドがある
  2. 資金力がある
  3. ずっと継続しているクライアントがある
  4. 次から次への優秀な社員が入ってくる
  5. 統率をとるだけの組織がある

さらに加えて、

  • 仕事の長年蓄積されてる経験値がある
  • 逆らえない下請けや取引先などがある

これらも特徴として挙げられます。

詳細は、著書「40歳からのサバイバル転職成功術」の第2章を参照してください。

このような企業に長く勤めていると、会社の持っている上記の特徴があっての仕事の成果をあたかも自分の成果のように感じてしまいます。これが大企業病です。

40代の転職は、今まで勤務していたような大手企業に就職できることはなかなか難しいと思って間違いありません。転職した先では、上記の7つがない組織の可能性もあります。

つまり、真の実力が問われるのです。

転職活動をするときにまず「自己の棚卸」をおすすめする理由がわかっていただけたでしょうか?

変なプライドを持っていたり、自分を勘違いをしたままでの転職活動では、書類は通過しても面接は通らないという結果を生んでしまいます。

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このような状況の中での転職活動となりますので、耳の痛いご指摘などもさせていただくことがあると思います。

そこはお互いに覚悟が必要な部分ですので、お申し込み前にご了承ください。よろしくお願いいたします。

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